時差ぼけはなぜ起きるのか
体の中にはおよそ一日の周期で動く体内時計があり、眠気や体温、消化、集中力はこの時計に沿って変化します。飛行機でいくつもの時間帯をまたぐと、外の昼夜は一気に変わりますが、体内時計は一日に少しずつしか追いつきません。そのずれが昼間の眠気、夜の不眠、胃腸の不調、頭がぼんやりする感覚として現れます。つまり時差ぼけは気合いの問題ではなく、体内時計をどちらへどれだけ早く動かせるかの問題です。
体内時計を動かす一番強い合図は光です。出発前から到着後まで、いつ何をすればよいかをまとめました。
体の中にはおよそ一日の周期で動く体内時計があり、眠気や体温、消化、集中力はこの時計に沿って変化します。飛行機でいくつもの時間帯をまたぐと、外の昼夜は一気に変わりますが、体内時計は一日に少しずつしか追いつきません。そのずれが昼間の眠気、夜の不眠、胃腸の不調、頭がぼんやりする感覚として現れます。つまり時差ぼけは気合いの問題ではなく、体内時計をどちらへどれだけ早く動かせるかの問題です。
人の体内時計はおおむね一日より少し長く回る傾向があるため、遅らせるのは比較的楽で、早めるのは難しいとされます。東へ行くと一日が短くなり時計を早める必要があり、西へ行くと一日が長くなるので遅らせればすみます。同じ時差でも東行きの後のほうが寝つきにくいと感じる人が多いのはこのためです。ただし個人差は大きく、朝型か夜型かによっても変わります。
体内時計を動かす合図のなかで最も強いのは、目から入る光です。時計を早めたいときは現地の朝日をしっかり浴び、夜は明るい光を控えると助けになります。逆に遅らせたいときは午後から夕方の光を浴び、早朝の強い光は避けたほうがよいでしょう。時差がとても大きい場合、初日に間違った時間帯に強い光を浴びると逆方向にずれることもあるため、初日は無理に朝日を追いかけず、昼間を中心に外に出るのが無難です。
準備に余裕があれば、出発の数日前から寝る時間を目的地の方向へ少しずつずらしておくと、到着後の負担が軽くなります。東へ行くなら少しずつ早寝早起きに、西へ行くなら少しずつ遅らせます。出発前夜に徹夜すれば機内でよく眠れそうに思えますが、寝不足のまま到着するとかえって順応に時間がかかることが多いものです。
搭乗したら時計を目的地の時間に合わせ、その時間を基準に眠るか起きているかを決めます。目的地が夜ならアイマスクと耳栓で光と音を遮って休み、昼ならできるだけ起きています。機内は乾燥しているので水をこまめに飲みましょう。お酒は寝つきを助けるようでも睡眠の質を下げ、脱水を進めます。目的地が午後以降ならカフェインも控えめにします。長距離便ではときどき立って通路を歩き、脚を動かすと体の疲れが和らぎます。
到着したら、食事も活動も睡眠もすべて現地時間に合わせます。昼に着いてどうしても眠いときは、ごく短い仮眠にとどめてすぐ起きましょう。長く寝てしまうと夜の睡眠が崩れやすくなります。外を歩いて日光を浴びる軽い活動が、いちばん無難な処方です。夜中に目が覚めて眠れないときは、照明を暗くしたまま、スマートフォンの画面を長く見ないようにします。順応には通常数日かかり、時差が大きいほど長くかかります。
二、三日の短い出張や旅行では、体が慣れたころにはもう帰ることになります。その場合は無理に時間帯を合わせず、大事な予定を自分の体が起きている時間帯に置く作戦のほうがよいこともあります。帰国後も同じ原理が働くので、帰った翌日に大切な予定を詰め込まないほうが安全です。逆に一週間以上滞在するなら、初日から現地時間に完全に合わせるほうが結局早く楽になります。
時差ぼけに効くとうたう睡眠補助薬やホルモン製剤は、国によって販売規制が異なり、服用中の薬や持病によっては合わないこともあります。飲む前に必ず薬剤師や医師に相談してください。睡眠薬を機内で初めて試すのは避けましょう。この記事は一般的な情報です。帰国後も不眠やひどい疲れが長く続く場合は、専門家の診察を受けてください。
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